今知りたい、「廃棄物管理責任者」って何するの!?
事業所におけるごみの減量、リサイクルの推進は、現代社会における企業市民としての使命であり、循環型社会形成においても重要な役割を担います。事業系ごみの排出量は近年横ばいで推移しており(新型コロナの影響でここ数年は減少している)、最終処分場の延命のためにも排出抑制・減量は必須課題となっています。
廃棄物を多量に排出する事業者においては減量に関する責務が定められています。
弊社は東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及び処分リサイクル会社であり、年間数千トンもの廃棄物を適正に運搬・処分している会社です。
廃棄物管理責任者はいったい何を行い事業所内のごみを排出抑制、減量化していくのでしょうか。
そこで、本記事では、廃棄物管理責任者の役割を果たすために知っておきたいポイントを取り上げます。
廃棄物管理責任者選任届の提出について
足立区内にある事業用大規模建築物(延床面積1,000平方メートル以上)の所有者は、廃棄物管理責任者を選任し、その選任をした日から30日以内に届け出る義務があります。(足立区廃棄物の処理及び再利用に関する条例施行規則により)
廃棄物管理責任者は、建物から排出される事業系ごみの状況を常時把握できる方の中から選任してください。
なお、必要な資格などはありません。
また、廃棄物管理責任者を変更した場合も同様の手続きが必要です。足立区HPより
廃棄物処理責任者の役割
①事業系ごみの発生量・廃棄量・再利用量を把握しよう
まずは、廃棄物処理責任者自ら、事業系ごみの量を計量し把握しましょう。また、ごみ庫にどのように排出(整理整頓、分別)されているかも確認しましょう。
この排出量を元に廃棄物業者への処理料金が決定します。自身の減量計画の策定、効果を確認するために大切なことですので必ず確認しましょう。
✅確認事項
処理業者からの請求書、各種廃棄物発生量
②事業系ごみに処理における法令遵守と適正処理の日常的確認をしよう
事業系ごみを回収している業者、どのように運搬・処理され廃棄物管理票や報告資料を日頃からチェックしましょう。
✅確認事項
契約書、マニフェスト、数量報告書類、リサイクルフロー図
③事業系ごみの3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進をしよう
事業所において3Rの取り組みを確認しましょう。
▼3R(リデュース、リユース、リサイクル)についてはこちらをご覧ください。
④建物使用者と利用者に対するごみの発生・排出抑制・再利用・資源化の指導をしよう
建物に関係する従業員、利用者にごみの減量を意識してもらう取り組みを実施しましょう。
⑤区及び所有者との連絡調整も行おう
再利用計画書の作成、区からの立入検査などの連絡を調整しましょう。
▼再利用計画書についてはこちらをご覧ください。
▼事業系一般廃棄物、排出事業者への立入検査への対応方法はこちらをご覧ください。
⑥関係者と協力と連携
事業系ごみ減量の取り組みは、廃棄物管理責任者だけでは達成することはできません。建物に関係するすべての人に協力してもらう必要があります。
それぞれの立場で自分ごとと捉え関わっていくことが重要です。
まとめ
事業所におけるごみの減量、リサイクルの推進は、現代社会における企業市民としての使命であり、循環型社会形成においても重要な役割を担います。資源物の分別が進めば、処理費用の負担軽減や、再資源化が容易になり環境負荷低減効果が見込まれます。企業イメージや従業員コスト意識の向上につながりますので積極的に取り組み実施してください。
廃棄物管理責任者は事業所や建物のごみの減量とリサイクルを進めるリーダーです。すべてを一人で管理運営していくことは難しいので、関係者と連携・協力していくことが重要です。
監修
利根川 靖
株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。