スチロール樹脂(ポリスチレン)とプラスチックの違いを紹介|発泡スチロールの特徴や種類も解説します
「家電製品を取り扱ってるけど、発泡スチロールってどこで処分すればいいのかな?」
「発泡スチロールって何ごみ?プラスチックなの?」
食卓に並ぶ生鮮食品、実は裏では発泡スチロールが活躍しているのはご存じでしょうか?
発泡スチロールが発明されていなければ鮮度を保ち美味しい状態ではないかもしれません。
弊社は東京23区を中心とした廃棄物収集運搬及び処分リサイクル会社であり、年間数千トンもの廃棄物を適正に運搬・処分している会社です。
この記事に書かれている内容は以下の通りになります。
この記事を読むことで、発泡スチロールについてしっかりと学べ詳しくなることができ、発泡スチロールをどこで処分すればいいのか、お困りの方も解決できます。
陰で活躍している発泡スチロール、皆さんが日頃手に取る食品トレーも発泡スチロールです。
最後までお読みいただき、歴史から製造、廃棄、リサイクルまでをご覧ください。
スチロール(ポリスチレン)とは?
スチロールとは、合成樹脂の一種でプラスチック加工で最も多く使用されている素材の1つです。
正確にはスチロール樹脂と呼ばれ、別名ポリスチレンとも呼ばれています。
熱可逆性樹脂として最も安く手に入る部類に入り、同時に高い加工性を持つことから様々な成形方法に対応しています。
例えば、CDケース、食品用の容器、自動車用のランプレンズなど身近にあるあらゆる製品に使用されています。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)とは?
発泡スチロールは、ポリスチレン樹脂を発泡剤で数倍〜100倍に膨らませた素材です。
白くて軽いのが大きな特徴で、他にも電気を通さなかったり加工がしやすかったりと優れた素材です。
製品体積の約98%が空気で、原料はわずか2%の省資源の素材です。
そのため、CO2削減やリサイクルなどの環境問題に対しても効果的で、低炭素社会と循環型社会を両立させる持続可能な社会の実現にも貢献しています。
軽量で断熱性に優れており、さらに衝撃吸収性にも優れているので、壊れやすい物品の緩衝や梱包材に使用されているため、多くの人が手に取ったことがあるのではないでしょうか。
また、断熱性の高さを利用して、保温や保冷が必要な場面でもよく使用されています。
発泡スチロールは、成形方法や樹脂の種類が異なるだけでペットボトルの一種です。
スチロール(ポリスチレン)とプラスチックの違いは?
結論、別のものではなく、スチロールとは合成樹脂の一種でプラスチック加工で最も多く使用されている素材の1つです。
そのため、スチロールとプラスチックは素材と加工物という関係にあると言えます。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)の歴史
軽量かつ安価で保温性、保冷性が高く、緩衝材としても便利で身近な発泡スチロールは、1950年にドイツで開発され、1959年には国産化が行われました。当初は、コルクの代用品として冷凍・冷蔵用の断熱素材として使用されていましたが、発泡スチロールの持つ優れた特性が評価され、生鮮食品の輸送用の箱や家電やOA機器の緩衝材、住宅建材等に幅広く使用されるようになりました。
スチロール(ポリスチレン)の長所と短所について
次に、スチロールの長所と短所について紹介します。
スチロール(ポリスチレン)の長所
スチロールには以下のような長所があります。
- 透明
- 軽い
- 電気を通さない
- 加工がしやすい
- 屋外で使用しても劣化しにくい
- 無臭
スチロールは非常に軽いにも関わらず、丈夫で頑丈といった特長があります。
また、電気を通さなかったり加工がしやすい点から、身の回りの様々な製品に利用されています。
また、スチロールは屋外で使用しても劣化がしにくく、臭いも発生しないため、5大汎用樹脂の1つとして数えられています。
スチロール(ポリスチレン)の短所
スチロールには以下のような短所があります。
- 熱に弱い
- 衝撃に弱い
- 耐油性が低い
- 耐薬品性が低い
スチロールは優秀な素材であるものの、短所も存在します。
まず、スチロールは熱に弱く、耐えられる温度は60度から80度までです。
また、衝撃に弱く脆いため、使用用途が限られます。
他にも、油や薬品への耐性も低く、油がかかると柔らかくなってしまったり、薬品がかかると溶解してしまったりするため、これらがある場所では使うことができません。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)の素材とは?
発泡スチロールの素材は、石油から作られた「ポリスチレン」(PS)です。
ポリスチレンは無味無臭で様々な成形方法に対応できるため、食品用の容器、CDケース、家電製品のボディ、自動車のランプレンズ等の多岐に渡って使用されています。
発泡スチロールとなるのは、ポリスチレンの小さな粒(原料ビーズ、直径0.3〜2㎜程)で、この原料ビーズを製造する際に発泡剤(ブタン、ペンタン)を混ぜるのがポイントとなります。(CDケース等の硬質のものには発泡剤は入っていません。)
発泡剤を含んだ原料ビーズを金型に入れ、高温の蒸気を当てると発泡剤が膨らみながらビーズ同士がくっつき金型通りの形になり、皆さんが良くご存じの発泡スチロールの出来上がりとなる仕組みです。
時々、発泡スチロールの発泡を「発砲」と書いているのを見かけますが、これは間違いですのでご注意を。
発泡スチロールは約50倍に膨らませて作りますので、石油製品の原料ビーズは製品全体(体積)の2%、残りの98%は空気です。このため、省資源性に非常に優れた製品と言えます。
(硬めの「食品トレー」(PSP)は約10倍、10%の使用率です。)
なお、過去において「発泡スチロールを膨らませる発泡剤には、オゾン層を破壊するフロンが含まれている。」という噂がありましたが、発泡剤である「ブタン」や「ペンタン」は炭化水素系のものなのでフロンは一切含まれていません。
スチロール(ポリスチレン)5つの種類を紹介!
一般的なスチロールは、製法や用途の違いによって5種類に分類されます。
スチロールには、具体的に以下の5種類があります。
- EPS:Expanded Polystyrene(ビーズ法発泡スチロール)
- PSP:Polystyrene Paper(発泡スチレンシート)
- XPS:Extruded Polystyrene(押出法発泡ポリスチレン)
- GPPS:General Purpose Polysthylene(汎用ポリスチレン)
- HIPS:High Impact Polystyrene(耐衝撃性ポリスチレン)
ここからは、それぞれの種類について詳しく解説します。
①EPS:Expanded Polystyrene(ビーズ法発泡スチロール)
一般に発泡スチロールと呼ばれている種類が、この方法で作られたものです。
表面に発泡ビーズの模様(不定形な蜂の巣状)があるのが特徴で、農水産物容器、家電・OA機器等の緩衝材、住宅の外壁用断熱材に使用されています。
特徴
断熱性・耐水性に優れ軽量なので、魚介類の輸送に箱として利用されていたり、軽量で衝撃吸収性に優れるため、精密機械等の梱包材としても利用されている。
また発泡させたポリスチレンビーズは、安く製造できる緩衝材として、布袋に詰めてクッションなどの家具(ビーズクッション)にも使われています。
主な用途例
魚箱や精密機械などの梱包材、ビーズクッションなど
②PSP:Polystyrene Paper(発泡スチレンシート)
発泡スチロールトレーと呼ばれ、主に食品容器として使用されています。
発泡率の低い(やや硬め)の発泡スチロールをシート状にし、型で抜いて作ります。
特徴
食用油に溶解しやすく、また耐熱性が低いので、高温の油に触れると熱によって融解し、気泡構造が崩れて侵食される特徴を持っています。
そのため、他の合成樹脂素材のシートが表面に接着されているものが多く、耐衝撃性が増すため、大型の容器や過酷な輸送が予想される製品の梱包に使用されています。
接着前にシートに印刷することができるので、ハンバーガーやカップ麺の容器などにも広く使われています。
主な用途例
ハンバーガーやカップ麺などの容器
③XPS:Extruded Polystyrene(押出法発泡ポリスチレン)
押出機から押し出し成形された板状の発泡体で、住宅やマンション等の断熱材や畳の芯材として使用されています。
この製品には青や緑、オレンジ色の着色が施されているのが特徴です。
特徴
堅くて難燃性の優れた発泡スチロールです。
また、省エネ効果も期待できるということで住宅の断熱材として屋根材の下や外壁の下などにも良く使われています。
主な用途例
住宅の建材など
④GPPS:General Purpose Polysthylene(汎用ポリスチレン)
汎用ポリスチレンは、多くのスチロールの中でも最も一般的なスチロール素材です。
GPPSとも呼ばれ、高い加工性と安価で購入できる利点から、様々な製品に使用されています。
無色透明で軽いため、コンビニのお弁当ケースやスーパーの惣菜ケースにも使用されています。
特徴
汎用ポリスチレンの特徴は、軽量で加工がしやすく、値段が安い点です。
スチロールが5大汎用樹脂と呼ばれている理由にもなっている素材で、様々な用途で大量に使用されています。
価格が安く、大量に使用するような製品に使用されており、汎用スチロールを見ない日はないと言っても差し支えないほどです。
主な用途例
コップや容器、CDケース、使い捨てカミソリ、コンビニのお弁当ケースや惣菜ケースなど
⑤HIPS:High Impact Polystyrene(耐衝撃性ポリスチレン)
耐衝撃性ポリスチレンは、汎用スチロールにゴムを配合して耐衝撃性を強化したスチロールです。スチロールの短所である脆さを克服した素材ですが、透明性は失われています。
主に家電製品や食品用容器として使用されることが多い素材です。
特徴
耐衝撃性ポリスチレンは、他のスチロール素材よりも衝撃への耐性が高い特徴があります。
ゴムを配合することで、透明性は失われているものの、衝撃への体制が格段に向上しています。
主な用途例
OA機器やテレビといった家電製品の内部パーツ、ヨーグルトや乳酸菌飲料水の容器など
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)の8つの特徴
発泡スチロール製品は、約98%が空気であるため非常に優れた「断熱性」と「耐衝撃性」という特徴があります。加えて、軽量で、成型しやすく、安価なことから、私達の生活の中の幅広い分野で使用されています。
①断熱性
発泡スチロールは、発泡ビーズがくっつき合った形状のため、個々の「独立気泡」(空気を含んだ小部屋の集合体)により、熱の対流(熱伝播)が起こり難い構造が維持されて断熱効果が高いのです。
(一般的な発泡スチロールの耐熱温度は約80℃とされています。)
②耐衝撃性
発泡スチロールの独立気泡は、個々が「エアクッション」のような衝撃吸収力を持っているので、衝撃吸収性に優れており、家電製品や精密機器の梱包材や緩衝材として用いられています。
(密度20㎏/㎥、50㎏の静的載荷で約4%。70㎏の静的載荷で約14%の圧縮クリープ)
③防水性・浸透性
前述のように、独立気泡の一つ一つがしっかりと融着しているので水を通さず、また水の浸み込むのを防いでいて、防水性・浸透性に優れています。
④軽量
発泡スチロールは、原料ビーズを約50倍に膨らませているため(体積の98%が空気)、非常に軽量です。
⑤成形の容易さ
金型に小さな原料ビーズを入れて高温の蒸気を当てるだけで製造できるので、様々な形のものが成形可能です。
⑥燃焼特性
発泡スチロールの主成分は炭素(C)と水素(H)なので、完全燃焼すれば炭酸ガス(CO2)と水(H2O)となり、ダイオキシン等の有毒ガスは発生しません。
但し、他の素材と同様に燃焼に必要な酸素が不足して不完全燃焼になった場合には煤(スス/黒煙)や一酸化炭素が発生します。
(燃焼性状:引火点345℃、発火点490℃、発生熱量9500kcal)
⑦環境性能(EPS断熱建材)
マテリアルリサイクルやサーマルリサイクルから外れてしまい埋め立て処分される場合、ESP断熱建材は2003年に施行された土壌汚染対策法で定めた「有害土壌汚染物質環境省基準」(対象物質:土壌汚染対策法に定める27物質、試験方法:有害土壌汚染物質の環境省基準における溶出試験)を満たすことが確認されています。
(個々の製品については各原料製造メーカーのホームページ等でご確認下さい。)
また、独立行政法人「新エネルギー・産業技術開発機構」(平成20年3月成果報告書)によると、札幌の戸建て住宅で30年間EPS断熱材を使用した場合と使用していないを比較したデータでは、エネルギー消費量で760,781MJ(灯油換算20,730ℓ相当=1年間で691ℓ=一般的な角形石油ストーブで2,588時間分=1日8時間使用で323.5日分に相当します。)の節約。CO2削減量で47.148t(ガソリン焼却時のCO2発生量換算20,322ℓ分相当=1年間で677ℓ=2,000ccクラスの乗用車のガソリンタンク55ℓ換算で12.3回の満タン分に相当します。)の削減となっています。ちなみに年間電気代では、約57,162円の削減となります。
⑧長期耐久性(EPS断熱材)
1957年から南極の昭和基地(無電棟/第1次南極観測隊用の建物)で使用されていたEPS断熱パネルが40年経って(1997年)日本に戻ってきたことを受け、㈱竹中工務店(竹中技術研究所)と日本大学理工学部とが「長期耐久性」の様々な調査を行った結果、熱伝導率変化(JIS.A.1412:保温材の熱伝導率測定法の準じた方法で行われた。)はほとんど見られなかったとされています。
また、別の試験で「長期寸法収縮率」を測定したところ、製造から300日以上経過しても収縮率は0.4%以内に落ち着くとの結果が出ています。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)5つの用途
発泡スチロール協会(JEPSA)のデータによると、2019年の発泡スチロール出荷量は128,150t。
内訳
容器67,979t(53.0%)緩衝材・他38,052t(29.7%)、建築・土木22,119t(17.3%)
①容器
発泡スチロール製の魚箱は、1966年頃から丸干しやアジの開き等の加工用のもの(高さの低い四角いお盆のようなタイプ)が使用されるようになり、1967年頃からやや高さのある鮮魚用の穴開きタイプ(底から壁への立ち上がり部分)も作られるようになりました。
従来、鮮魚には木箱が使用されていましたが、木材価格の高騰や流通手段の変化によって、発泡スチロール製の魚箱が用いられるようになったのです。
その後、現在皆さんが良く目にする蓋付きの魚箱が開発されると、氷や海水が入れられることによる保冷性(鮮度の保持)の特性の他にも丈夫で軽量、防水性の高さが発揮され、新鮮なまま消費者に届けられるようになったため、その需要は野菜や果物用の農産箱を巻き込んで爆発的に拡大し、国内市場の約50%強を占めるようになりました。
②緩衝材
元々、緩衝材は発泡スチロールの用途別国内需要でトップのシェアでした。
ところが、オイルショック(1973年)以降、世界的な不況により出荷量が減ると、その後も他材料の梱包材の台頭や家電メーカーの海外生産体制等により苦戦を強いられています。
ただ、近年の環境・エネルギー問題からエコキュートに代表されるエコロジー製品内部の部材や自動車の軽量化部品として使用されるようになり、需要は回復傾向にあります。
③建材
この分野の国内出荷量は十数%ですが、実は海外ではこの建材が発泡スチロールの用途としては一番使用されているのです。
欧米では建材として古くから使用されており、フロン、ホルムアルデヒド、アスベスト等の環境に悪影響を及ぼす原料を含まず、数十年経っても性能に変化がないことが大きな理由です。
最近の日本国内でも住宅版エコポイント制度等により、EPS建材の需要が増えてきているようです。
④土木
1985年にノルウェーからEPSブロックを土木工事に使用する「EPS工法」が導入されて、着実に実績を伸ばしている分野です。
発泡スチロールの持つ軽量性、耐水性、耐圧縮性、強度性、形状加工の自由性を遺憾なく発揮し、軟弱地盤への盛土の土台や拡幅、擁護壁等に使用されていて、大型建設機械が使用・入れない場所での運搬・加工にも適しています。
⑤その他
「そう言えば。」という使われ方もたくさんあります。
工事現場やバイクのヘルメットの内装、抱き枕等の発泡ビーズクッションの中身、養殖生簀等のフロート...。最近では先進的農業方法としてビニールハウスや室内での水耕栽培用の育苗ベッドにも使用されています。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)は毒性がある?
発泡スチロールには、基本的に有毒なガスが発生するなどの人体、環境への影響はありません。
発泡スチロールには環境ホルモンが含まれておらず、主成分は炭素と水素のため、完全燃焼すれば炭酸ガスと水になり、有害ガスは発生しません。
ただし、不完全燃焼になるとススが発生するため、市区町村の分別基準に沿った廃棄が必要です。
発泡スチロールの処分の仕方に困ったら専門業者に相談しましょう!
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発泡スチロール(発泡ポリスチレン)のリサイクル率は約90%!
発泡スチロール協会(JEPSA)のデータによると、2019年の発泡スチロールの再生利用と処理・処分は、117,879t。
このうちマテリアルリサイクルが60,535t(51.4%)、サーマルリサイクル(発電を伴う焼却/RPF等)が44,895t(38.1%)、埋め立て処分が6,475t(5.5%)、単純焼却が5,974t(5.1%)となっており、有効利用率は89.5%でした。
1991年の調査開始時のリサイクル率は、わずか12.6%でしたが、1998年には51.5%と半数以上がリサイクルされ、2007年には80.3%になり、2015年から2018年の4年間は90%を超えるリサイクル率となっていました。
さて、弊社では発泡スチロールのマテリアルリサイクルを中心に行っております。(一部、サーマルリサイクル:RPF)
弊社でのマテリアルリサイクルは、以下の2通りです。
- ペレット化(溶融)
- インゴット化(圧縮固化)
それぞれの発泡スチロールの状況によってペレット化とインゴット化に分けています。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)3つのリサイクル方法
発泡スチロールには主に以下の3つの処分法が存在します。
- マテリアルリサイクル
- ケミカルリサイクル
- エネルギーリカバリー
ここではこれらのリサイクル方法について詳しく解説していきます。
①マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルとは、発泡スチロールをプラスチックの原料として、再資源化し、プラスチック製品などに再利用するリサイクル方法です。
利根川産業ではマテリアルサイクルを行っています。
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②ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルとは、熱や圧力を加えて、ガスや油として再資源化し、再利用するリサイクル方法です。
③エネルギーリカバリー
エネルギーリカバリーとは、燃焼させることで、高いエネルギーを発生させ発電などに再利用するリサイクル方法です。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)リサイクルの工程
発泡スチロールをリサイクルする工程については以下の動画で詳しくご覧いただけます。
利根川産業では発泡スチロールがまだ廃棄物として捨てられていた頃から、環境への負荷を減らすためにリサイクルをしていました。
利根川産業で発泡スチロールをリサイクルするメリットは以下の通りです。
- 薬品を使わないため、安全でクリーンな製品にリサイクルできる
- 国内外からの需要が高く、資源が無駄にならない
利根川産業では、発泡スチロールのリサイクルに薬品は使いません。
安全でクリーンなシステムで生み出される高品質なプラスチック原料は国内外からの需要が多く、民間会社では関東屈指の規模を誇っています。
また、実際の発泡スチロールリサイクルの処分場の様子を見てみたい方は、下の動画をご覧ください。
①ペレット化
リサイクル用途:建築用断熱材など
魚箱用、農産箱のうち、白色のもの(海外製の硬質EPSを除く、弊社2020年データで約80%)のみをペレット化(ビーズ状のポリスチレン原料)しています。
①選別作業
計量後、発泡スチロールに貼られているガムテープ、紙、シール等を手作業で剥がします。この時、発泡スチロールを縛っていたビニール紐やビニール袋を取り除き、箱の内部に異物がないかの確認も行います。
※ビニール紐やビニール袋、剥がしたガムテープ等は、弊社のRPF(固形燃料)として、サーマルリサイクルを行っています。
②破砕工程
ガムテープ等が剥がされた発泡スチロールを破砕機に投入し、直径3cmほどに破砕して「溶融機」の一時貯蔵タンクへ送ります。(パイプでの空気輸送)
③圧縮溶融工程
一時貯蔵タンクから溶融機に入ると、電熱線の熱で「飴状」に溶かされ、異物を取り除くための目の細かいステンレス製メッシュの網を通しながら押出しスクリューによって直径3mmの穴から「茹でたスパゲッティ」のような状態で押し出します。
④冷却工程
「茹でたスパゲッティ」のような状態から、水槽を通し冷却すると「茹でる前のスパゲッティ」(乾麺)のような状態となり、これを細かくカットするとペレットの完成です。
⑤梱包工程
カットされたペレットは、振動振るい機にて選別され、パイプで空気輸送されフレコンバッグに詰められ、売却先へと出荷されて行きます。
②インゴット化
リサイクル用途:プラスチックの形成品、合成木材など
家電・OA機器の緩衝材、色付きの魚箱・農産箱と海外製の硬質の発泡スチロールは、インゴット化(薄い延べ板状)にしています。
①選別作業
計量後、発泡スチロールに貼られているガムテープ、紙、シール等を手作業で剥がします。この時、発泡スチロールを縛っていたビニール紐やビニール袋を取り除き、箱の内部に異物がないかの確認も行います。
※ビニール紐やビニール袋、剥がしたガムテープ等は、弊社のRPF(固形燃料)として、サーマルリサイクルを行っています。
②破砕工程
発泡スチロールを破砕機に投入し、直径3cmほどに破砕して「圧縮機」の一時貯蔵タンクへ送ります。(パイプでの空気輸送)
③圧縮固化
破砕機から一時貯蔵タンクを経て「圧縮固化機」に投入されると、スクリューで押し込みながら加熱(ペレット化より低温のためドロドロにまでは溶けません。)して延べ板上に成形します。
④断裁
指定した長さになると自動でカットされ、完成です。
⑤冷却工程
冷却を兼ねて、輸送用のパレットに乗せ、量が貯まれば売却先に出荷されます。
③固形燃料化
リサイクル用途:製紙会社の石炭の代わりの代替燃料
発泡トレー(PSP:発泡スチレンシート)のリサイクル弊社では、発泡トレーはRPF(固形燃料)化しています。
(RPFの詳細はこちらご覧下さい。)
以前は、インゴット化をしていたのですが、スーパーマーケット等の店頭から回収されてくる発泡トレーの中には、発泡スチレンシート(PSP)ではないプラスチック製のトレー(PET素材)(主に透明な)や蓋等が多く混入しており、マテリアルリサイクルに必要な加工品の品質の保持が難しくなったためです。
異なるプラスチックの種類(ポリスチレン以外のポリスチレンやポリプロピレン等)、溶融温度の違い、色の違い等の問題からマテリアルリサイクルは不向きと判断し、サーマルリサイクルであるRPFに切り替えました。
このブログをご覧の皆様。もし、ご自宅からご近所のスーパーマーケットの店頭回収BOXに発泡トレーをお持ち込みの際は、透明なトレーや蓋は発泡スチレンシートではありませんので、ご注意下さい。
ちなみに、住宅等の断熱材に使用されているXPS(押出法発泡ポリスチレン)もRPF処理をしてサーマルリサイクルとなります。
下記のボタンからご相談いただくことで、発泡スチロールの詳しい情報やリサイクル料金などを知っていただくことが可能です。
発泡スチロール処分でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)がリサイクルされたらどんな用途で使われる?
発泡スチロールはリサイクル性にも優れており、様々な製品に生まれ変わっています。
例えば、使用済みの発泡スチロールは、プラスチック製品などに再利用されていたり、ガス化や発電焼却や熱利用焼却などにも利用されています。
リサイクルした製品には「エコシリーズ」ステッカーが貼ってあることが多いため、チェックしてみると身近に存在していることを感じられます。
ご家庭で出る発泡スチロール(発泡ポリスチレン)をゴミとして処分する方法を3つ紹介!
リサイクルの観点から、発砲スチロールには推奨される処分の仕方がいくつか存在します。
ここでは以下の3つの代表的な処分方法について詳しく解説していきます。
- 自治体へごみとして捨てる
- リサイクルBOXへ入れる
- 家電量販店に持っていく
①自治体へごみとして捨てる
発泡スチロールは基本的に自治体のごみステーションに出せます。
多くの自治体が発泡スチロールの回収を行っていますが分別区分は統一されておらず、ばらつきがあるので事前に確認しましょう。
②リサイクルBOXへ入れる
スーパーや公共施設に回収ボックスが設置されており、そこで発泡スチロールトレーを回収しています。
地域によって異なるので、あなたの地域も設置しているか確認しておきましょう。
③家電量販店に持っていく
家電量販店に持ち込めば、発泡スチロールを処分してくれる場合があります。ここで注意したいのは、家電量販店で処分する場合は、購入した商品であることが条件になります。
ただ、持ち込むだけでは、処分してもらえないので注意しましょう。
事業者向けの発泡スチロール(発泡ポリスチレン)の処分方法
利根川産業では、「分ければ資源、混ぜればゴミ」をモットーに掲げていて、廃棄物をできるだけリサイクル可能な方法で処分しています。
弊社では、発泡スチロールはプラスチック原料へとリサイクルされます。
薬品を使わない安全でクリーンなシステムで生み出される製品は、高品質なプラスチック原料として国内外からの需要が多く、民間会社では関東屈指の規模を誇っています。
【県庁所在地別】ご家庭向けの発泡スチロール(発泡ポリスチレン)の分別方法
前述の通り、地域によって発泡スチロールの処分の仕方は異なります。
ここでは、各都道府県の主要都市でどのような処分方法があるのかをまとめました。
処分をお考えの方は必ず事前に確認してみてください。
北海道・東北地方
都道府県 |
発泡スチロールの分別 |
北海道 札幌市 |
容器包装プラスチック |
青森県 青森市 |
プラ容器包装(発泡スチロールなど汚れていない場合に限る。) |
岩手県 盛岡市 |
プラスチック製容器包装 |
宮城県 仙台市 |
プラスチック製容器包装(拭くか、洗って出す。) |
秋田県 秋田市 |
家庭ごみ(燃えるごみ)。50センチメートル超は「粗大ごみ」 |
山形県 山形市 |
プラスチック類、小さくして指定袋で出す。食品用容器は燃やすごみ。 |
福島県 福島市 |
資源物(プラスチック類)。汚れを洗い流してきれいにして出す。 |
関東地方
都道府県 所在都市 |
発泡スチロールの分別 |
茨城県 水戸市 |
燃えるごみ |
栃木県 宇都宮市 |
プラスチック製容器包装 |
群馬県 前橋市 |
プラ容器、汚れは洗う。指定袋より大きなものは、ひもでしばって出す。 |
埼玉県 さいたま市 |
梱包用、冷蔵用発泡スチロールは燃えるゴミ 発泡スチロール製トレイは資源物1類 |
千葉県 千葉市 |
可燃ごみ/軟質プラスチック類 |
東京都 新宿区 |
容器包装プラスチック(資源) |
神奈川県 横浜市 |
商品の梱包材は「プラスチック製容器包装」長辺が50cm未満にして出す 商品の梱包以外に使用されていたものは「燃やすごみ」 |
中部地方
都道府県 所在都市 |
発泡スチロールの分別 |
新潟県 新潟市 |
プラマーク容器包装 |
富山県 富山市 |
プラスチック製容器包装 |
石川県 金沢市 |
容器包装プラスチック |
福井県 福井市 |
福井・美山区域は、燃やせないごみ。越廼・清水区域は、燃やせるごみ。 |
山梨県 甲府市 |
プラスチック製容器包装 |
長野県 長野市 |
プラスチック製容器包装 |
岐阜県 岐阜市 |
廃食用油・発泡スチロール・白色トレイ(出し方に詳細な指定あり) |
静岡県 静岡市 |
可燃ごみ |
愛知県 名古屋市 |
プラ容器包装。商品以外の梱包に使用されたものは可燃ごみへ。 |
近畿地方
都道府県 所在都市 |
発泡スチロールの分別 |
三重県 津市 |
容器包装プラスチック |
滋賀県 大津市 |
プラスチック製容器包装 |
京都府 京都市 |
プラスチック製容器包装 |
大阪府 大阪市 |
容器包装プラスチック |
兵庫県 神戸市 |
「容器包装プラスチック」汚れのあるものは「燃えるごみ」。 |
奈良県 奈良市 |
燃やせるごみ。発泡スチロールのみの場合は「大型ごみ」 食品トレイはプラスチック製容器包装 |
和歌山県 和歌山市 |
プラスチック製容器包装 |
中国地方
都道府県 所在都市 |
発泡スチロールの分別 |
鳥取県 鳥取市 |
プラスチック(大きいものは、割ってプラスチックごみの指定袋に入れる) |
島根県 松江市 |
プラ製マーク表示があるものは、プラスチック製容器包装。プラ製マークのないものは燃やせるごみ。 |
岡山県 岡山市 |
可燃ごみ。発泡トレイは、自主回収している小売店か、資源化物として市有施設で開庁・開館中に持ち込んでください。 |
広島県 広島市 |
商品を保護するものはリサイクルプラ 商品保護以外はその他プラ |
山口県 山口市 |
小さく砕いて可燃ごみ。 |
四国地方
都道府県 所在都市 |
発泡スチロールの分別 |
徳島県 徳島市 |
プラスチック製容器包装 |
香川県 高松市 |
プラスチック容器包装 |
愛媛県 松山市 |
プラスチック容器包装 |
高知県 高知市 |
プラスチック製容器包装 |
九州・沖縄地方
都道府県 所在都市 |
発泡スチロールの分別 |
福岡県 福岡市 |
燃えるごみ |
佐賀県 佐賀市 |
燃えるごみ |
長崎県 長崎市 |
プラスチック製容器包装 |
熊本県 熊本市 |
プラスチック製容器包装 (緩衝材でも、製品やビーズクッション等は燃やすごみです) |
大分県 大分市 |
プラスチック製容器包装(資源プラ) 油や汚れが簡単に落とせないものは「燃やせるごみ」 |
宮崎県 宮崎市 |
プラスチック製容器包装 (緩衝材であっても、製品として購入した物やビーズクッション等は燃やすごみです) |
鹿児島県 鹿児島市 |
プラスチック容器類 |
沖縄県 那覇市 |
燃やすごみ |
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)処分工場見学も随時受付中!
このブログをご覧の産業廃棄物処理業者の皆様、弊社の発泡スチロール処分にご興味が御座いましたらお気軽に工場見学のお申込みをお願い致します。
もちろん、排出事業者様のご同伴も大歓迎です。
下記のボタンからご相談いただくことで、詳しい情報やリサイクル料金などを知っていただくことが可能です。
発泡スチロール処分でお悩みの方や工場見学に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
発泡スチロール(発泡ポリスチレン)処分にお困りの方
当社は発泡スチロールリサイクルに関して都内では有数の規模のリサイクル設備を有しています。
「大量の発泡スチロールの処分が大変」「処分の仕方が分からないものがある」など、発泡スチロールリサイクルにお困りの方は下記のバナーをクリックし詳しい情報をお知らせください。
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まとめ
この記事では、スチロールとプラスチックの違いやリサイクルについて解説しました。
スチロールはプラスチックの一種で、5大汎用樹脂に数えられるほど優れた素材です。
スチロールは世界中で活用されている素材です。そのため、そのままゴミにしてしまうと環境への負荷がかなり大きくなってしまいます。
利根川産業では、発泡スチロールをプラスチックの原料として再資源化し、プラスチック製品などに再利用するマテリアルリサイクルを導入しています。
利根川産業のスチロールリサイクルでは薬品を使用しないため、高品質なプラスチック原料として国内外から多くの需要をいただいています。
下記のボタンからご相談いただくことで、詳しい情報やリサイクル料金などを知っていただくことが可能です。
発泡スチロール処分でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修
利根川 靖
株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。