プラスチック資源循環促進法の概要をわかりやすく解説!事業者が取り組むべきことも5つ紹介
「プラスチック資源循環促進法ってなに?」
「プラスチック資源循環促進法が施行されて、何が変わるの?」
上記のような疑問を抱えている方もいると思います。
結論、プラスチック資源循環促進法は、プラスチック製品の廃棄を少なくすることを目的とした法律です。プラスチックの多量排出事業者には、最大50万円以下の罰金が科されるので注意しましょう。
本記事では、プラスチック資源循環促進法の詳細や施行の背景を解説します。
プラスチック資源循環促進法について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
プラスチック資源循環促進法の概要をわかりやすく解説!
プラスチック資源循環促進法は、プラスチック製品の生産から廃棄までの全過程にわたり、リサイクルを促進し、プラスチックごみの削減を目指す法律です。
法律では主に、以下の要素の推進を定めています。
- 製品の設計段階でのリサイクルのしやすさ
- 製造過程でのリサイクル素材の使用
- 消費者への情報提供
- 適切な廃棄・回収・リサイクル
各ステージの主要な関係者、つまり製造業者、小売業者、消費者が、それぞれの役割を果たすことで、全体としてプラスチックのリサイクルを向上させ、環境への影響を軽減することを目指しています。
プラスチック資源循環促進法の施行の背景
本章では、プラスチック資源循環促進法の施行の背景を2つ紹介します。
- 海洋汚染問題
- 国際的な資源循環の必要性の高まり
施行の背景まで押さえて、プラスチック資源循環促進法の意義を確認しましょう。
海洋汚染問題
プラスチック資源循環促進法は、増大する海洋汚染問題を解決するために施行されました。
海洋汚染というのは、主に人間の活動が原因で海洋生物や海洋環境に深刻な影響を及ぼす問題です。中でもプラスチック廃棄物が大きな問題となっています。
プラスチック廃棄物は、自然に分解するのに非常に長い時間がかかり、その間に海洋生物に飲み込まれたり、海洋生態系全体に害を及ぼす可能性があります。
それゆえ、海洋汚染問題を解決するためには、プラスチック廃棄物の処理方法を見直す必要があるでしょう。
国際的な資源循環の必要性の高まり
プラスチック資源循環促進法は、世界が直面する資源循環問題を反映して制定されました。この法律は、持続可能な地球環境を維持するための重要な一歩といえるでしょう。
プラスチックは私たちの生活のあらゆる面で使用されていますが、その一方で、環境問題を引き起こす可能性があります。特に、プラスチック廃棄物が適切に管理されずに自然環境に放出されると、生物の生存を脅かす可能性があります。この問題は国境を超えて影響を及ぼすため、国際的な資源循環の取り組みが求められています。
プラスチック資源循環促進法の制定は、資源の持続的な循環を追求する国際社会の取り組みを体現したものであり、地球環境を保全するための重要な措置と言えるでしょう。
プラスチック資源循環促進法の施行で事業者が取り組むべきこと5選
本章では、プラスチック資源循環促進法の施行で事業者ができることを5つ紹介します。
- 環境配慮設計指針を策定する
- プラスチック製品の設計は国の指針に従う
- 特定のプラスチックの使用を合理化する
- 製造・販売事業者等の自主回収・再資源化を促進する
- 排出事業者に対する排出抑制・再資源化を促進する
プラスチック資源循環促進法について理解した後は、その法律が事業者にどのような影響を及ぼすか確認する必要があります。
本章では、事業者の方が確実に取り組むべきことを厳選しているので、ぜひ最後までお読みください。
環境配慮設計指針を策定する
プラスチック資源循環促進法の施行を受けて、事業者が最初に取り組むべきことは「環境配慮設計指針」を策定することです。
この指針は、製品の設計段階から環境への影響を最小限に抑えるための戦略を明確にするためのものです。
指針には、製品設計におけるリサイクルの容易さ、製品の耐久性、修理やメンテナンスの可能性、そして製品の終末処理時の環境への影響など、さまざまな要素が含まれます。
プラスチック製品の設計は国の指針に従う
プラスチック資源循環促進法が施行されることにより、事業者はプラスチック製品の設計について、国の指針に従うことが求められます。
プラスチック製品のライフサイクル全体にわたる環境への負荷を軽減するため、そしてプラスチック廃棄物の再利用やリサイクルを促進するために重要です。
国の指針は、プラスチック製品の設計、製造、使用、廃棄などの各段階で考慮すべき環境配慮のポイントを示しており、これに従うことで事業者は持続可能な社会の実現に貢献できます。
ワンウェイプラスチックの使用を合理化する
プラスチック資源循環促進法の下では、ワンウェイ(使い捨て)プラスチックの使用を合理化することが求められています。必要な分だけプラスチック製品を使用し、過剰な使用を避けることを意味します。
個々の消費者がプラスチック製品の使用を必要な分だけに留め、可能な限り繰り返し使用できる製品を活用することが必要です。
製造・販売事業者等の自主回収・再資源化を促進する
プラスチック資源循環促進法の下では、製造・販売事業者等は、自社の製品について自主的に回収・再資源化を進めなくてはなりません。
プラスチック製品を製造・販売している企業は、使用済みの製品を回収し、新たな製品に再利用するための工程を設けられます。
また、使用済みの製品を回収するための専用ボックスを設置する、消費者に対して製品の返却を呼びかけるキャンペーンを行うなど、回収・再資源化を促進する施策を考えることが求められます。
排出事業者に対する排出抑制・再資源化を促進する
プラスチック資源循環促進法の下で、排出事業者は、自社のプラスチック排出量を抑制し、再資源化を促進するように働きかけられます。
排出事業者は、製品やパッケージの設計段階からプラスチックの使用を抑制するための工夫を行う必要があります。
また、使用済みのプラスチック製品やパッケージを回収し、新たな製品の材料とすることで再資源化を促進できるでしょう。これにより、排出事業者は自社のプラスチック廃棄物を有効に利用し、資源の無駄を防ぎます。
プラスチック資源循環促進法のよくある質問
本章では、プラスチック資源循環促進法のよくある質問とその回答を3つ紹介します。
- プラスチック資源循環促進法の対象者は?
- プラスチック資源循環促進法において多量排出事業者にはどんな罰則がある?
- プラスチック資源循環促進法はいつ施行された?
多くの人が気になる質問を取り上げたので、本章でプラスチック資源循環促進法について、理解を深めてください。
プラスチック資源循環促進法の対象者は?
プラスチック資源循環促進法の対象者は主にプラスチック製品の製造者や輸入者です。
法律により、製品のリサイクル計画を立て、その実施に努める義務があります。
プラスチック資源循環促進法において多量排出事業者にはどんな罰則がある?
プラスチック資源循環促進法における多量排出事業者(前年度に特定プラスチック使用製品の量が5トン以上提供した事業者)には以下の罰則があります。
指導・助言に留まらず、勧告・公表・命令の措置の後、命令にも違反した場合は、50万円以下の罰金が処せられます。
(参考文献:よくある質問【環境省】)
プラスチック資源循環促進法はいつ施行された?
プラスチック資源循環促進法は2022年4月1日から施行されました。
また、2021年6月11日に公布されました。
まとめ
本記事では、プラスチック資源循環促進法の詳細や事業者に及ぼす影響を紹介しました。
結論、事業者はプラスチックの排出量削減に取り組む必要があります。同時にリサイクルへの意識を高めることで再資源化を促進できるでしょう。
仮に、多量排出事業者になってしまうと罰金を科されるので注意してください。
利根川産業は、廃プラスチックのリサイクルを積極的に行っています。都内では珍しいRPF製造設備が備わっているので、環境に配慮して資源の再利用ができています。
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監修
利根川 靖
株式会社利根川産業の二代目経営者。業界歴20年で東京都廃棄物の組合理事も兼任。
廃棄物業界を盛り上げようと地方の業者と連携。得意分野はITツールにて生産性を高めること。
これからの若い人材が業界で働きたくなる魅力づくりに奮闘中。